2021.10.01
職場、家庭、学校、公共の場、ネット上などさまざまなコミュニティの中で、他人に不満をまきちらす人がいます。話を聞いたり観察したりすると、その原因が「想像力不足」からくるものだと感じることがほとんどです。
現代人の想像力不足は深刻です。
コロナ渦でそれがさらに表面化しているように見えます。
教育現場もその渦中にあります。
長引く緊急事態宣言でオンライン授業を実施する学校が増えてきました。現場の先生から「本当に大変だよ〜」という話をよく聞きます。実施自体もですが、どうやら一部の保護者からオンライン授業を行う学校や教員に対し批判の声が出ており、それが大変さに拍車をかけているそうです。
批判の多くは、「自宅で子どもを見られない」「きちんと学習させられない」といった内容だそうですが、気持ちはよくわかります。おそらくこのような状況なのでしょう。
我が子のことが大切であり、心配だからこそ不安になり、その吹き溜まりをぶつける所がたまたま学校なのかもしれません。それに対し、学校はどのような状況なのでしょうか。以下のことが考えられます。
このような状況をあなたは想像できますか?
特に難しいのは授業の準備でしょう。オンライン授業は普段の授業とは別物です。日々の業務に加え、教材研究や事前準備が膨大になってしまいます。急な事態の中、できる限りのことを考えて行っているのは容易に想像できます。
私は教員時代、子どもに「ロバを売りに行く親子」の話をしていました。
イソップ童話でロバを飼っていた父親と息子が2人でロバを引いて歩いていると、それを見た人が
「せっかくロバを連れているのに、乗りもせずに歩いているなんてもったいないことだ」
と言ったところから始まるお話です。
父親が息子をロバに乗せると‥
「元気な若者が楽をして親を歩かせるなんて、ひどいじゃないか」
父親がロバにまたがると‥
「自分だけ楽をして子供を歩かせるとは、悪い親だ。」
2人でロバに乗ると‥
「2人も乗るなんて、重くてロバがかわいそうだ。」
となるわけです。どのように考えるかは人それぞれです。ただ一つ言えることは、他人を責めるだけでは、何も解決しないということです。こんな社会情勢だからこそ、相手の状況や気持ちを考え、「想像すること」を大切にするべきではないでしょうか。
Written by S.Fujiwara
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