2022.07.08
生涯つきまとうであろう「ストレス」。過度のストレスは個人の健康や生活に害を及ぼし得るものですが、成人し、中高年になっていたとしても、しばしば自らのストレスを持て余すことはあるのではないでしょうか。このようなストレスへ対処していくためのストレス・マネジメント教育は、どのように行われているのでしょうか。
小学校の体育、保健領域では、心の状態と体の状態は関連していることや、不安や悩みへの基本的な対処法(相談する、遊ぶ、運動する 等)について学習します。中学校の保健体育では、2017年より「ストレスの対処」が保健分野の技能として明示され、ストレスの概要から心身への影響、リラクセーション等の具体的な対処方法について学びます。高校の保健体育では、2018年より精神疾患などの予防と回復に関する内容が明示され、ストレスと精神疾患との関連等、さらに一歩踏み込んだ学習が可能となりました。
しかし、これではストレス対処に関する学習機会が不十分だという声もあります。2021年3月、日本ストレスマネジメント学会は「学校における『ストレスマネジメント教育』のあり方について」として、現状の授業時数(小・中各1時間)に加え、小学校から高校にかけて総合学習の時間を軸として更に展開していくことが必要である旨を述べています(2021年3月12日、日本ストレスマネジメント学会ホームページ「お知らせ」より)。弊社もまたこの機会は十分でないと考えており、加えて社会人に対しても、少なくとも学校教育における学習機会が充実するまでは、従業員教育等にストレス・マネジメントを積極的に組み込んでいくことが望ましいと考えています。
学術的な知見は、日々変わります。「悪」とされてきたストレスに関しても、近年ではポジティブな影響の研究成果が注目されるようになりました。
【参考】TED「ケリー・マクゴニガル: ストレスと友達になる方法」
eラーニングでは、日々更新される学術的な知見をバランスとスピードを持って取り込み、単元の学習に厚みを持たせていくことが可能です。そして、学習者が「学習内容は日々アップデートされるもの」とより早い段階で認識し、新しい情報に日々接していくことが、探究的な学習を促すひとつのファクターになり得ると考えています。
弊社はストレス・マネジメント教育と探求的な学習を推進すべく、「まなブリッジ!」デジタルワークシートの中高総合学習・探究編にストレス・マネジメントのコマを追加しました。
子どもたちがよりよくストレスをコントロールし、健康な生活を送っていくための学習機会拡充の一役を担えれば幸いです。
Written by H.Owa
日々の学習と社会を繋げるデジタル教材。
小さな気付きを好奇心に変え、学ぶ意欲を創造する