2020.10.08
就職活動対策の学習法その2として、今回は言語能力の中の「長文読解」に焦点を当てて、学習方法をご紹介します。
長文読解の基礎は何と言っても「語彙」と「文法」です。「語彙」が十分に身についていなければ、そもそも何について書かれているのかを理解することはできません。そして十分な「語彙」があったとしても、「文法」を理解していなければ、文章を論理的に読む事はできません。
「語彙」の学習方法については以前のコラムを読んでいただくとして、今回は「文法」を中心に紹介していきます。
日本語文法で最も重要なのは、「格助詞」です。日本語場合、格助詞には「が」「を」「に」「へ」「まで」「から」「より」「で」「の」「と」「や」があります。これらは名詞と繋がることで、その名詞と他の言葉の意味関係を示します。
後に「が」の付く名詞が主語です。「を」は動作の対象を示します。他の格助詞も様々な関係性を示しています。この関係性をしっかりと理解することが、文章読解のキモと言って良いでしょう。詳しくは「東京外国語大学言語モジュール」などを参照しましょう。ちなみにこれらは日本語を母語としていない外国人に対して、日本語文法を教える際には使われていますが、学校で習う国語の授業ではしっかりと教えられることはありません。
さて、小学校から中学校または高等学校までで、国語の授業を十分受けてきたはずです。ですが、Reading Skill Test(RST)などでは、日本人の大人であっても十分な文章読解力がついていないという結果が出ています。また、教科書の内容が読み取れていない人も多いという結果も出ています。筆者はその理由が日本語文法をしっかりと学ばないからだと考えています。
実のところ、筆者も教材を作成するようになって以降、「文法」の大切さを理解しました。しかも様々な言語を学習し、さらには言語学をかじるようになってからです。正直、学校教育の中で学ぶ文法は、論理的に文章を読む上ではまったく足りません。ですから少し遠回りでも、将来のことを考えるのであれば、「自動詞と他動詞」や「複文」など、日本語文法をしっかりと学習する事をお薦めします。
もし「そんなには時間を掛けていられない」というのであれば、まずは格助詞の使い方だけでもマスタしましょう。長文を読む際に、格助詞の使われ方を意識しながら読むだけでも、文章読解力は向上します。
ちなみに上で紹介した格助詞の中には「は」がありませんでした。「は」は主題を表す際に使われる副助詞であり、格助詞ではありません。これも意識して文章を読んでみると良いでしょう。
Written by T.T.Yamada
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