2020.12.18
データの読み方、2回目です。前回は省略やフィッティングによるグラフの読み方を扱いました。今回は特殊なグラフを扱います。
データを見やすくするためにグラフ化する場合、主に棒グラフ、折れ線グラフ、帯グラフ、円グラフ、散布図を使います。表示する要素が多い場合にはレーダーチャートが使われます。ですが、実は読む際に注意が必要なのは「バブルチャート」です。
バブルチャートは2要素グラフである散布図に、もう一つ要素を追加したものです。3つ目の要素は円の大きさで表されます。ですが、それが故に円と円が重なうことによって、データが読みづらくなる場合があります。そのため、読み間違えを誘発しやすくなるため、どの様な内容で利用するのかは注意が必要です。
また変形グラフも読み方に注意が必要です。例えば図の様なグラフの場合、対象となっているものの形を使ってグラフとしているため、イメージが付きやすいというメリットがあります。そのため、視覚を使って理解を促すインフォグラフィックなどで使われることが多くなっています。
ただし、この手のグラフも注意が必要です。特に割合を表すのが長さなのか面積なのかに注意が必要です。原則として面積で量を表しているのですが、長さで量を表すグラフになっていると、人間の目は面積の方に引っ張られてしまう特性があります。つまり視覚情報では面積をより重要視してしまうのです。
ここまでは少し特殊なものを紹介しましたが、良く使われるグラフであっても、表現の仕方によっては勘違いを生み出すものがあります。特に3Dグラフがそうです。3Dグラフには棒グラフや円グラフもあります。例えば円グラフの場合、3D化するために斜めのアングルで表示することとなります。すると、手前側の方が、奥よりも面積が大きいように錯覚してしまいます。これは明らかなミスリードを引き起こします。
同様のことは棒グラフでも起こりえます。手前の角柱は、奥の角柱よりも低く見えるため、やはりデータを読み取る際にミスリードを起こします。逆にわざとミスリードさせるために使われる場合もありますので、注意が必要です。2Dであればこのようなミスリードを起こしませんので、正確に伝えるためには3Dグラフは使わない方が良いでしょう。
このように、特殊なグラフは、より多くの情報を伝える、受け取る側の理解を促す、見栄えを良くするなどのメリットがある一方、正しい数値を読み取りにくくするという一面を持っているということを理解した上で使う様にしましょう。
Written by T.T.Yamada
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