2021.05.29

ロジカルシンキングのための思考フレームワーク

前回に続いて、ロジカルシンキング:論理的思考力の話をしましょう。これは幾つかに分けることができます。今回は「体系化力」「分析力」について、ツールである「フレームワーク」を交えながら紹介します。

まず「体系化力」です。これは全体を把握してから詳細に落とし込んでいく力です。
例えば、商品に次々と機能を追加していくと、使わない機能がてんこ盛りになってしまいます。この場合、一度全体を見渡し、もれなくダブりなく(MECEと言います)機能をピックアップし、それを体系化してみましょう。もしかしたら
「これらは不要」
という機能群が見つかるかも知れませんし、そこから新しい商品の発想に繋がるかも知れません。
また、世の中に出回っている情報を読み解く際にもこれは重要です。個々の事件や発表だけを見ていると、全体像が分からなくなります。それぞれがお互いに、どの様に影響し合っているのかを俯瞰で見ることで、論理的な判断ができるようになります。
この時に役に立つのが「ロジックツリー」です。基本的には箇条書きなのですが、この箇条書きにレベルを設け、上位の概念と下位の概念とに分けて行きます。それによって今の問題点や関心事がどのレベルにあるのかを、俯瞰で整理できるようになります。

もしロジックツリーだけでは情報を上手くまとめられない、または評価したい切り口が多くて困っているのであれば、その際は「分析力」の出番です。
上手くまとめられない場合は「KJ法」を使いましょう。KJ法では箇条書きの内容を付箋にどんどん書き出していきます。重要なのは1枚の付箋には1つしか書かないことです。
この付箋の山を眺め、何かしらのキーワードで共通する付箋があったら、それらを集めます。言わば、キーワードを上位概念として、付箋が下位概念になるわけで、ロジックツリーを作っているようなものです。そして、そのキーワード同士の繋がりを考えれば、さらなる上位概念を発見できますし、別々のロジックツリー同士の連関を知ることもできます。

一方、大量の情報を何らかの形で分析したい場合には「マトリクス分析」が有用です。マトリクス分析では縦軸と横軸を作り、それぞれの軸に対して要素を割り当てます。下の図では例として、メディアについて縦軸に信憑性を、横軸に速報性を割り当てています。

縦軸、横軸は自由に変えて構いません。自分が分析したいと思っているデータの要素から2つを抜き出し、自由に設定しましょう。マトリクス中に分類されるものがない場所が発見できれば、そこは新しい商品のターゲットとなるところかも知れません。またマトリクスの各象限間を移動させるにはどの様な要素が必要なのかなどを考えることができるようになります。

論理的に分析できれば、プレゼンでも論理的な説明ができますので、是非、皆さんもチャレンジしてみてください。

Written by T.T.Yamada


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