2021.03.06

オンライン授業のアイデアその2

前回は板書計画とそれに紐付くワークシートを、オンライン授業対応にするにはどの様にアップデートする必要があるのかという話をしました。今回はこれを「3つの活動」として、もう少し掘り下げてみようと思います。

まず大前提として、
「教員が用意した内容を板書し、それをノートに写させる活動」
を主とした授業は、パワーポイントで置き換えられるべきだというところからスタートします。
つまり「板書したものを写す行為」が問題なのではなく、一方的に与えるだけの内容としての板書を排除することが重要なのです。教科書に書かれている内容をかみ砕き、板書にて伝えるのではなく、児童生徒自身がこれをやるべきです。

そのために児童生徒に必要なのは3つ。

1)学習の前提となる語彙
2)学習を行うのに必要な概念形成
3)情報をまとめ、発信する能力

これらによって、将来、どの様な事象が発生しても柔軟に対応できる人物を育て上げるのです。

1)は反復練習が必要なものです。これまでであれば暗記するなり覚えるまで何度も書くという練習を積み重ねていた部分です。しかし、語彙を習得するには実際に使ってみることが重要です。使うことにより、初めて身につきます。
従来の学習法は対面(または宿題)で行い、オンラインでは「使う」ことに重点を置いた活動をする必要があります。実際に覚えた語彙を使った会話を児童生徒同士で行う活動も、一つの例です。これはオフラインでもできますが、オンラインで行うことで同時並列的に会話を進行させられます。練習回数を増やせますし、録画しておけば、あとで振り返るのにも使えます。

2)は概念形成です。これはこれまで教科書と板書でやって来た部分です。ですがオンラインで行う為に、もう一工夫してみましょう。教員が概念形成の手順を示すのではなく、それこそアクティブラーニングで、自発的に形成させてみましょう。議論させても良いと思います。例えば「四則演算の交換法則」を行ってみましょう。
実際にやらせてみれば、加算・乗算では成り立つのに、減算・除算では交換法則が成り立たないというのが、体感できるはずです。この体感させることが概念形成を促し、そのあとも根付く要因となります。これもオフラインでもできますが、オンラインが威力を発揮しやすいシーンです。

3)はそれこそオンラインが有効に働く場所です。共同編集可能なクラウド型のプレゼンテーションツールや共同作業ツールはいろいろと出ています。筆者も大学の講義では生徒に利用させ、プレゼンテーションまで行わせています。
実際、社内でも共同編集作業というのは当たり前のように行い、編集効率を上げていますので、学校に通っているときから慣れさせておくのは大変重要でしょう。

次回は、オンライン時代に必要な板書とは何かについて、考えてみましょう。

Written by T.T.Yamada


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