2021.03.13

オンライン授業のアイデアその3

今回はオンライン時代に必要な板書とはどういうものかを考えてみましょう。

オンライン授業のアイデアその1」でご紹介したとおり、基本的にはプレゼンテーションソフトで表示してしまえば、わざわざ板書をする必要はありません。ですが、板書を全て排除する必要もありません。
板書が重要な役割を果たす部分を「オンライン授業のアイデアその2」で紹介した学習活動の3つの要素(下記)に沿って紹介していきましょう。

1)学習の前提となる語彙
2)学習を行うのに必要な概念形成
3)情報をまとめ、発信する能力

まず1)の活動は、反復練習が必要な部分でした。もちろん漢字の書き取りなどは板書の出番ではありません。板書の出番はもっと高度な訓練の部分です。特に児童生徒に語彙の利用例を挙げさせる活動を推奨しましたので、それぞれが考えた内容を発表してもらい、それを板書していくのは重要なことです。
この内容をまとめるのに、黒板を使うのです。もちろんオンラインツールのホワイトボード機能を使うのでも構いません。いずれにせよ、予め準備した内容ではないものを、リアルタイムでまとめていくのが、オンライン時代での板書の主なスタイルになるべきなのです。

次に2)の活動では、概念形成の手順をアクティブラーニングとして展開することを推奨しました。アクティブラーニングの活動を通して、児童生徒は様々なアイデアを出してきます。ですから1)の時と同じ様な展開を行う事が可能です。黒板というのはアイデアをまとめていくためのツールとするべきなのです。

そして最後に3)の活動です。情報をまとめ、発信するのは児童生徒達です。教員はあくまでも発表のサポートにまわるため、板書することはあまりなさそうに思えます。ですが、ここで一工夫。
発表後には必ず講評を行いましょう。発表のどこが良かったのか、どこが良くなかったのか。聴いていた児童生徒からもいろんな意見をもらいましょう。そしてそれを発表したグループのプレゼンテーション画面に書き込んでいきましょう。できれば電子黒板上で書き込むのが良いです。
それと同時に、様々なグループで共通していた良い点、悪い点をまとめましょう。重要なのは児童生徒が自分たちで気が付いた部分を、まとめるという活動です。そこに黒板に書く、板書という行動を使うのです。
「そんなのこれまでの授業でもやっていたよ!」
という声が聞こえてきそうです。その通り。オンラインだから特別なことをしようなどと考えなくて良いのです。むしろ、これまでの活動の中で、オンラインだからこそ活きるところをどのように選んでいくのか、そこが重要なのです。

オンライン授業はこれからもなくならないでしょう。だから余計に、より効果的な授業を目指して、変えるべきところは変える、残すべきところは残すという選別が必要となるのです。

Written by T.T.Yamada