2021.04.30
ナスピアでは小学校~高校向けのオンラインドリルを開発しています。ですが、この時に問題になる教科があります。それが、国語と英語です。どちらも長文読解には藻著となる文章が必要になり、著作権をクリアするという問題が発生します。また、語彙や文法・構文の学習では、レベルの設定が必要となります。
他の教科では学習指導要領の単元を前提にすれば構いませんし、国語や英語も世の中の教科書はそこをクリアしているわけですが、教科書準拠にはしたくないので、この2教科については別の基準が必要となるわけです。
そこで、英語についてはJACET8000やCEFR-Jを基準として採用することにしました。
もっと正確に言えば、就職活動向けの英語についてはJACET8000を利用して構築しています。このJACET8000は大学英語教育学会が策定したもので、出現頻度の高い単語を8000個抽出したものです。これを1000個ずつ分けてレベル1~8としてリスト化し、大学生が身につけるべき英単語としているわけです。
そのため、大学生向けの就職試験対策である「SPI.StudyCamp」にはJACET8000をベースとした英語語彙問題を用意しています。
しかしJACET8000はあくまでも大学生として知っているべき頻出単語でしかありません。一方、語学能力としてはCEFR(Common European Framework of Reference for Languages:ヨーロッパ言語共通参照枠)がヨーロッパを中心に広く基準として利用されています。英語はもちろんのこと、日本語もCEFRの基準が定義されています。
CEFRでは各言語に対して、A1,A2,B1,B2,C1,C2と6つのレベルが設定されています。A1が最も低く、C2が最も高いレベルとして定義されています。レベルAとは「基礎段階の使用者」、Bは「自立した使用者」、Cは「熟達した使用者」とされています。ちなみに日本での大学入試レベルはB1とされています。大学教育レベルでB2~C1ですので、JACET8000はB1~C1あたりに対応すると考えても良さそうです。
しかし日本ではレベルAに相当する人が大半を占めるため、レベルAを細分化するなりしなければ、まともに運用ができません。そこで日本における英語教育用の基準として設定されたのがCEFR-Jです。CEFRとCEFR-Jのレベルを一覧にしたのが下の表です。ちなみに英語の教科書にも2021年度版からは、各単語にCEFRのレベルが付記されるようになっています。
日本では小学校5年生から英語という教科の学習が始まりますので、CEFR-Jをなんとか各学年に対応させてみると、Pre-A1からB1.2までで、ちょうど8学年分あります。ナスピアでは2022年度に英語の学年毎のレベルをCEFR-Jに合わせ、ドリルの内容を改訂しようと考えています。学習指導要領や各教科書会社のものとは一致しませんが、独自基準を模索するのであれば、CEFR-Jを上手く活用することを考えるべきでしょう。
その先には国語にもCEFRの基準を当てはめた、語彙や文法のオンラインドリルを整備したいと考えています。
Written by T.T.Yamada
本番で実力通りの力を発揮する出題形式を搭載
ナスピアの提案するSPI対策e-learningはコチラ
タブレット・PCで自宅で手軽に学習できる
小~高各5教科対応オンラインドリルはコチラ