2021.05.07
新型コロナによるステイホームが推奨されている今日、幼い子どもの動画視聴を
「望ましくない」
「罪悪感を覚える」
等と否定的に捉えている保護者の方が、一定数いらっしゃるのではないでしょうか。今回は、幼児の望ましい動画視聴のあり方について考えていきます。
はじめに、動画視聴上のリスクを確認しましょう。一般に、目の疲労、視力低下、運動不足やコミュニケーションの減少等が挙げられますが、これらは視聴時間が長くなる場合に特に問題となります。また、暴力的な描写等を含む不適切な子ども向け動画の拡散(エルサゲート)も問題となっており、YouTube等の動画視聴上のリスクとなっています。
次に、メリットを見てみましょう。まずは子どもが楽しみ、保護者が時間を確保できることが挙げられますが、優れた動画の視聴は、様々な知識や語彙の習得を支援します。教育コンテンツであれば、思考力の育成等も期待できるでしょう。さらに、動画をきっかけとする会話や活動への展開が可能という点も挙げられます。
以上より、幼児の望ましい動画視聴のポイントを3つ挙げます。
① ルール設定
基本となりますが、
「1日に何分・何回まで視聴してよいか」
「就寝前の視聴は不可」
といったルールの設定が必須です。
② 動画選定
豊かな視聴体験のために、まずは保護者が膨大な選択肢の中から動画を幾つか選び、その中から自由に子どもに選ばせましょう。一緒に選ぶのでも良いでしょう。選ぶ際には、子どもの発達段階や、視聴させた時の反応を考慮します。
Netflix、Amazon Prime Video等の有料動画プラットフォームには、子ども用のプロフィール設定があります。年齢に応じた動画に限定でき、プロが制作した映像で品質を担保しやすいため、エルサゲートを排除する上で有効です。
③ コミュニケーションや活動への展開
一緒に歌ったり、体操したりできる動画があります。また、動画の内容に対する子どもの
「どうして?」
に応えたり、反対に
「どうしてだろう?」
と問いかけたりすることも、子どもの思考を促し、コミュニケーションを育む上で有効でしょう。
子どもの好みを把握することは、意欲的な遊びや活動に展開するヒントとなります。たとえば、
「今日は、(動画のキャラクター)が食べていた■■を一緒に作ってみよう!」
「(動画のタイトル)ごっこをしよう!」
といった形で、創造的なアウトプットにも展開することができるでしょう。
子どもが意欲的に観る動画に対する吸収力には、目覚ましいものがあります。また、興味のあることの尊重は、子どもの非認知能力を育む上で有効だと考えられています。ですから、一概に動画視聴を否定するのは勿体なく、リスク対策をして活用し、そのメリットを得るのが望ましいのではないでしょうか。実体験に勝るものはないですが、ステイホームが推奨される現在、感染リスクなく手軽に行える映像体験の意義は高まっていると考えられます。
Written by H.Owa