2021.12.17
前回のコラム「確認テストの作り方」ではどのようにして多肢選択問題の選択肢を作れば良いのか、などについて紹介しました。今回はテストの難易度調整について紹介していきます。
まず簡単なテクニックから。それは、前回紹介した多肢選択問題の難易度コントロールです。多肢選択問題の場合、解答が1つだけの択一式か、複数の答えがある複数選択式があります。例えば択一式の場合は問題文に
「その理由として最適なものを一つ選べ」
という文言が入っています。ここを答えは1つしかない場合でも
「その理由として適切なものをすべて選べ」
と変更するだけでも難易度は上がります。これは元々の選択肢に正解以外に正解と迷う内容を入れているのが原因です。ただしこの場合、択一式では誤りであった内容でも上記のような出題文の場合正解としてもおかしくない場合があります。そのあたりは慎重に検討する必要があります。
それ以外では次のような例があります。例えばSPIなどの就職適性検査試験の非言語能力の問題を考えてみましょう。
「1周600mの池をA君は分速60mで、B君は分速90mで同じ場所から同じ向きに歩く。何分後に出会うか」
この問題は単純に計算すれば解くことができます。気になる方は計算をしてみてください。この問題の難易度を上げるには次のように変更します。
「1周600mの池をA君は時速3.6kmで、B君は時速5.4kmで同じ場所から同じ向きに歩く。何分後に出会うか」
単位を分速から時速に変えました。こうするだけで単位の変換が必要になるため手間が増えます。この手間の分だけ計算ミスを起こす可能性が高くなり、難易度は上がります。さらに
「1周600mで、真ん中に長さ50mの橋が架かっている池がある。この池の周りをA君は時速3.6kmで、B君は時速5.4kmで同じ場所から同じ向きに歩く。何分後に出会うか」
としてみます。赤文字の部分は計算上考慮する必要の無い文章です。でもこれに引っかかってしまう場合があります。もっとやると
「1周600mで、真ん中に長さ50mの橋が架かっている池がある。この池の周りをA君は時速3.6kmで、B君は時速5.4kmで同じ場所から同じ向きに歩く。ただし、A君はB君が出発してから5分後に出発する。
二人はA君が出発して何分後に出会うか」
としてはどうでしょう。条件が一つ増えました。これで更に難易度が上がります。
このように、難易度を変えるには
①単位をあえてバラバラにする
②使わない情報(ダミー情報)を入れる
③考える内容(条件)を変える
などの方法があります。特に②や③は言語能力問題、つまり国語の問題でも応用が可能です。もちろんコンプライアンスや情報セキュリティの確認問題などにも応用することができます。
難易度を上手く調整し、受講者の正確な能力を計測してみましょう。
Written by T.T.Yamada
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