2024.07.01

勉強する理由 – 「まなブリッジ!」を事例に -  vol.01

皆さんが勉強する、または勉強した理由は何でしょうか?  私の場合は、小学校までは何となく、促されるままに。中高は行きたい学校に行くため。大学では単位を取り就職するため。こう書き連ねてみると、近視眼的な理由ばかりでお恥ずかしい限りです。正直、これらの勉強はただのタスクで大体は楽しくありませんでした。しかし、社会人になってから必要な情報やスキルを得るために自分から始めた勉強は、楽しかった。自分で本当に知りたい」「必要だ」と判断して行う勉強は主体的になるものです

以前の弊社コラムでご紹介した通り、人はそれぞれ立場が違い、勉強する理由は様々です。仮に子どもに勉強する理由を尋ねられたとしても、基本的には「これが絶対に正解」という回答をすることは難しいでしょう。一方で、勉強する内容については、自分が住む社会・世界に関係することなのは間違いありません。弊社の「まなブリッジ!デジタルワークシート」は、この事実を前面に打ち出して子どもたちの学習意欲を育むべくつくられました。

「まなブリッジ!デジタルワークシート」は、様々な時事を題材にして学習する小~高校生向けの授業用ワークシートです。社会で起きている様々な事象と、算数(数学)・理科・社会・総合学習(探究)を結び付けて学習することで、普段の授業と社会のつながりを伝えます。例えば数学の「場合の数」の学習には、パスワードの安全性に関するニュースを紐づけました。「8文字以上、アルファベットや数字、記号を混ぜて設定することが効果的 」という記事から、順列や組み合わせでできるパスワード数を算出します。 時事を題材にすることで学習をリアルなものとし、学習は自分の暮らす社会に結びついており、活用できる・されていることを伝えます。インストラクショナルデザインにおける学習意欲を喚起する手法「ARCSモデル」でいうところの「R(Relevance)」、つまり関連性(やりがいを感じさせること)を特に活かした教材といえるでしょう。

親や教員の立場では、勉強をする理由を子どもや生徒に尋ねられても即答が難しく、「社会で必要になるから」等と曖昧に伝えてしまうことが、ままあるのではないでしょうか。では、学習は社会で具体的にどのように必要となっているのか。自分とどのように関わりがあるのか。これを明確化して伝えることには難しさもありますが、勉強する理由の一つを伝えることになります。全ての学習について伝えるのは難しいでしょう。しかし、主体的な学習を実現していくためには機会を逃さず、一つずつでも伝えていけるとよいですね 。

Written by H.Owa


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