2024.08.01
今回のコラムは、eラーニングシステムについて。
eラーニングを実施するには、教材の作成から配信、受講者管理、学習進捗の管理などができる専用のシステムが欠かせません。弊社でも「e-GOAL」を開発・運用しています。
作問技術のコラムにあるような、eラーニングの強みを活かせる教材を作成したなら、次はeラーニングの強みを活かせるシステムが必要です。
eラーニングでは、内容を設計し、学習者に授業や研修を受けてもらうと、学習ログがたまっていきます。1問ごとの解答内容、解答時間、正誤情報等々…と膨大な量になります。
どのようなデータを取り、それをどう評価・分析するのか。
インストラクショナルデザインの基本プロセスであるADDIEモデルでは、どのような教材が必要か分析し、どのように教えるか設計・開発し、実施したら評価を行う。この5段階を必要に応じて繰り返すことで、教材をより効果的、効率的、魅力的にしていくとしています。
そうなると、すべてのプロセスの改善にかかわる評価はとても重要ということになります。ではどうやって評価すれば良いのか?今回はその中から2つ取り上げます。
1つ目は、初回正答率・平均解答時間を活用した教材評価です。
eラーニングシステムの中には、初回正答率?でも触れている通り、解答データを上書きするものが少なくありません。
しかし、私たちは初回正答率から最終正答率に到達するまでの過程が大切だと考え、「e-GOAL」では、初めて解答したときのデータを保存しています。何をどう学習して点数アップしたのかを分析し、平均解答時間と照らし合わせて理解度を確認すると、教材を改善するための手がかりが見えてきます。現在「e-GOAL」はバージョンアップを進めており、このような変化量を可視化して把握できるよう設計しています。どんなデータをどう分析して可視化するのかについては、社内でも議論が白熱したところです。
2つ目は、学習者の反応評価です。
評価するためには学習の達成度だけでなく、学習者の反応も重要な要素です。たとえば「合格点は取れたけど、何を学んでいるのかよくわからず苦痛だった」と「楽しく学習できて、効率的に合格点が取れた」では、同じ合格点が取れていても全く違いますよね。これは、授業後にアンケートを取ることで得ることができます。
このように、データを取得できるからこそ、それを効果的に評価・分析することで学習者に寄り添った教材に改善し、より魅力的な教材に発展させていくことができるわけです。
このサイクルに寄与できるシステム、つまり、取得データを精選し、適確に分析・可視化し得るシステムこそが「eラーニングの強みを活かせるシステム」だと考えています。
さらに、学習者のモチベーションの維持やドロップアウトさせない工夫、これもeラーニングにおいては重要な要素です。これらにeラーニングシステムがアプローチできることはあるでしょうか?後編に続きます。
Written By Y.Koyama
学習ログを取ることで、弱点分析や学習態度を分析する
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