2020.06.22
昨年話題になりました大学入試改革。特に英語の民間試験活用については、「4技能」を重視するにあたり、「実践的な能力を見られる」だの「何度も受験が可能」など、様々な理由が付けられましたが、最終的には見送りとなりました。技能をどの様に評価するのかが曖昧なまま大学に一任されたのと、受験機会や費用が住んでいる場所によって変わってしまうというのが大きな理由です。
とはいえ、別に4技能自体が不要なわけではありません。英語の4技能とはリーディング(読む力)、リスニング(聞く力)、スピーキング(話す力)、ライティング(書く力)を指します。文部科学省の出している学習指導要領の内容を把握している人であれば、この4技能は英語だけではなく、国語でも義務教育段階から重要視されている技能だということに気が付くでしょう。つまり言語として使うということであれば、4技能は必ず必要なものだということなのです。
ところが、英語では4技能が重要視されているのにもかかわらず、国語では4技能を試験するという話は聞いたことがありません。もちろん
「日本人だから、特に勉強しなくても、テストしなくてもわかるだろう」
という考え方もあると思います。でも東京大学の新井紀子先生が中心になって始められたRST(Reading Skill Test)で、日本人の読解力(読む力)が問題なったのと同様、「聞く力」をはじめとして他の4技能も「日本人だからできている」というロジックが本当に正しいかどうかは、大変あやしいものです。ちなみに「読む力」は「読解力」、「聞く力」は「聴読解力」とも呼ばれます。
そこで、日本語の4技能を測定するテストもやってみれば良いと考えています。実際、塾向けの教材販売代理店をしていただいている企業から、
「小学校向けの日本語リスニング教材を作れませんか?」
という相談を受けたことがあります。
実は、ナスピアでは2007年度から「読む力」は「読解力」、「聞く力」は「聴読解力」として定義し、eラーニング教材を展開しています。難易度は日本語能力試験の2~4級レベルです。これらのオンラインテスト教材を、AO入試または推薦入試で大学に合格の決まった学生向けで、入学前に学習してもらおうと提供しています。12年に渡って学習ログを解析した結果、大学によって若干の差はありますが、読解力は65~75%、聴読解力はそれよりも5%程度良く、70~80%程度となっています。この傾向は毎年ほとんど変わりません。逆を言えば、読解力では少なくとも4分の1、聴読解力では5分の1は間違えているということです。これを大きいと考えるのか、小さいと考えるのか。皆さんはどう思いますか?
Written by T.T.Yamada
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